痛風:発作がなくても腎臓を襲う

図3-1: 急性炎症
(痛風発作)

痛風(gout)は、尿酸が結晶化して関節に沈着していたものが、何らかのきっかけで放出され、自分の体内の白血球がこれを分解しようと殺到するために急性炎症(痛風発作)が起こって、腫れと痛みを起こす病気です。炎症を起こす部位でもっとも多いのが足の親ゆびのつけ根です(図3-1)。

尿酸が結晶化するのは尿酸の血中濃度が高い(高尿酸血症)ためですが、血中の尿酸の80%は体内で作られ、20%が食品のプリン体から作られます。したがって、食品中のプリン体を制限するだけでは尿酸値は低くなりません。体内で作られる尿酸は、エネルギーの燃えかすと遺伝子が分解されることによって生じる老廃物です。体内からの尿酸を減らすには、生活習慣を変える必要があります。

具体的には、
①減量する
②アルコール摂取量を減らす
③水分を十分とる
④適度な有酸素運動をする
⑤ストレスを発散する、 などの対策があります。

食事療法の基本は,
a. カロリー制限:標準体重×25~30kcal
b. プリン体制限:食品表参照
c. アルカリ性食品(野菜・海藻・牛乳など)接種、
の3つが重要です。
忘れてならないのは、高尿酸血症が続くと発作が起こらなくても腎臓のフィルターに尿酸が沈着し、最悪の場合透析を要するまで腎臓が障害されることです(痛風腎)。