骨粗鬆症:カルシウムが抜けて骨が痩せ細る
図2-1B:骨粗鬆症の骨
図2-1A:正常な骨
骨粗鬆症は骨からカルシウムが抜けて弱くなり、骨折が起こりやすくなる病気です。
骨は皮質骨という皮の部分と、海綿骨という中身の部分から成りますが、骨粗鬆症になると皮質骨が薄くなり、海綿骨の骨梁と呼ばれる柱状の組織が痩せ細って中身がスカスカの状態になってしまいます(図2-1A:正常な骨、B:骨粗鬆症の骨)。
こうなると骨は力学的に弱くなり、骨折が起こりやすくなります(図2-2左:正常な骨、右:骨粗鬆症で起こった骨折)。
図2-2左:正常な骨、右:骨粗鬆症で起こった骨折
カルシウムが抜け落ちる原因は、骨代謝のバランスが崩れるからです。
人間の体はすべての組織が絶えず入れ替わっています。風呂に入らなければ垢が出るのは、皮膚の新陳代謝で内部から新しい皮膚が生まれ、表面の皮膚が老廃物となって剥がれ落ちるためです。
骨も同様に、破骨細胞によって骨が分解され、骨芽細胞によって新たな骨が造られます(図2-3A:破骨細胞による骨の分解、B:骨芽細胞による再生)。
骨の分解が異常に活発か、造骨が異常に低ければ骨内のカルシウムが減って骨粗鬆症になってしまいます。これら破骨と造骨のどちらが原因かを調べるのが骨マーカーの採血検査であり、原因によって薬物治療の内容が変わります。
図2-3A:破骨細胞による
骨の分解
図2-3B:破骨細胞による
再生